2024年注目の天文現象 | 特集/コラム | 【公式】豊田の星空観察

2024年注目の天文現象

  • 掲載日:2024/04/08

星空を眺めていると、宇宙は雄大でほとんど変化がないように見えるが、さまざまな天文ショーが繰り広げられている。月が太陽を隠して神秘的なコロナや金色のリングを見せてくれる日食、月が地球の影に入り神秘的なワインレッドの月を見せてくれる皆既月食、長い尾をたなびかせて突然現われる彗星、雨のように流れ星が降り注ぐ流星雨などは、躍動的で感動的な宇宙の姿だ。それでは、今年はどんな天文ショーが日本で見られるのか見て行くことにしよう。

彗星

明け方の東天や夕方の西天に突然姿を現して、長い尾をたなびかせる天体として、昔から注目されてきた彗星。彗星の本体は、核と呼ばれる直径数km~十数kmの氷や雪やチリがゴテゴテに固まった「汚れた雪だるま」のような天体だ。
彗星には新たに発見される新彗星と、周期的に地球に巡ってくる周期彗星とがある。年間太陽や地球に接近する彗星はかなりの数に及ぶが、そのなかで明るくなるのはごくわずか。今年は、周期彗星のポン・ブルックス彗星と新彗星の紫金山・アトラス彗星が注目だ。

1812年にフランスの天文学者ジャン・ルイ・ポンに発見された周期70年のポン・ブルックス彗星(12P)が4月21日に近日点通過をし、6月2日には地球に1.55天文単位まで接近する。日本では3月下旬から4月初旬にかけて、夕方の西空で4等級見えそう。
観望チャンスは、おひつじ座の2等星ハマルに接近する3月29日から4月2日にかけてと、木星に接近する4月12日から4月16日にかけてだ。

また新彗星としては、2023年1月9日に紫金山天文台で発見され、南アフリカの小惑星地球衝突最終警報システム(ATLAS)が2月22日に確認された新彗星、紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)が、2024年9月27日に太陽に0.39天文単位まで接近して、-5等まで明るくなると予想されている。

日本では近日点通過後の10月中旬から下旬にかけて、宵の西空で1等から4等へと暗くなってゆくようすを観望することができそうだ。
10月中旬には宵の西空で尾を引いた彗星の姿を肉眼で見ることができるだろう。

星食

恒星は、日周運動で1時間当たり15度角ずつ東から西に移動して行くが、月は地球の周りを地球の自転と同じ方向に27.3日で公転しているため、西から東へ移動する。そのため日周運動での月の動きは恒星や惑星より遅く、1時間当たり約14.5度しか動かない。その結果、月が太陽や惑星や恒星を隠す食現象が起こるのである。
 さて今年日本で星を隠す注目の星食は、惑星食では5月5日の火星食と7月25日の土星食と12月9日の海王星食は青空での現象となってしまうが、12月8日の宵に惑星食では最も見応えのある土星食が22年ぶりに起こる。また恒星食では、12月25日のスピカ食がある。

12月8日 宵の土星食

12月8日の宵の南の空で、上弦の月に土星が隠される土星食が見られる。これは日本で夜間見られる土星食としては、2002年以来22年ぶりとなる。
土星は欠けている側から潜入するが実際は地球照でぼんやりと見えているだろう。食が起こる限界線が、鹿児島-松山-岡山-輪島-秋田-釧路辺りを通っていて、その南側では食になるが、北側では月と土星の最接近となる。
豊田では、潜入開始時刻が18時20分、出現開始時刻は18時51分。高度は45度ととても観望しやすい。肉眼や双眼鏡でも楽しめるが、望遠鏡があればリングのある土星が、月の後ろにじわじわ消えてゆく様子や出てくる様子を観望することができる。

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